核酸認識系Toll-like receptorの応答制御に関する新規分子の解析

福井 竜太郎
(東京大学医科学研究所 病因・病理学専攻 助教)

2014年6月14日土曜日

ES細胞の培養

骨折した腕もだいぶ治ってきたので、本腰を入れて実験を再開しております。
今週は遺伝子改変マウスを作製するためにES細胞を培養したりしておりました。
ES細胞は幹細胞の一種で、様々な細胞や臓器、または個体になる能力を持っている細胞です。最近はiPS細胞の方が有名でしょうか?

幹細胞の研究ではES細胞そのものを研究対象にしたりしますが、
私は免疫学が専門なので、ES細胞は遺伝子改変マウスを作製するための道具として使っています。
今は本研究助成のテーマである新規分子の役割を解析するため、その遺伝子が無いマウスを作ろうとしているのですが、以下のような手順で行っています。

まず、ES細胞の遺伝子を欠損させます。
欠損されたことを確認した後、マウスのシストブラスト(胚盤胞。受精卵がもう少し育ったものです)にES細胞を注入し、仮親マウスの子宮に戻してやると、遺伝子が欠損したES細胞に由来するマウスが産まれてくるのです。
こう書くと簡単にできてしまうように思えますが、実際はとても大変です。
ES細胞は頑丈で増えやすいのですが、ある意味ではデリケートなので毎日世話をしてやらねばなりません。
したがって、ES細胞を扱っている間は無休です。
色々と疲れますが、新規分子の機能解析のため・・・と思ってがんばっています。

余談ですが、ES細胞を世話をしないとどうなるのでしょうか?
ES細胞が勝手に分化して、ES細胞以外の細胞になってしまいます。
そのような細胞は幹細胞に特有の多能性が失われているため、細胞から個体を作り上げることができなくなるのです。
STAP細胞が話題になったのは分化した細胞を簡単に幹細胞へ戻すことができるからでして、もし本当ならば再生医療に関わっていない私にとっても非常にありがたい発見なのですが・・・。
着想自体は素晴らしいので、何らかの形で実用化して欲しいと思っています。