核酸認識系Toll-like receptorの応答制御に関する新規分子の解析

福井 竜太郎
(東京大学医科学研究所 病因・病理学専攻 助教)

2015年4月13日月曜日

科学新聞にセミナーが掲載されました

日本の新聞を大まかに分類すると、「一般紙」と「専門紙」になるそうです。
「専門紙」はさらに、「経済紙」と「産業紙」と「専門紙」に細分化することが可能らしいです。

ご参考のwikipedia

つまり、経済・産業全般ではなく特定の業界のことを詳しく報道している新聞が「専門紙」ということになるようですね。
もちろん科学分野にも専門紙はありまして、その名もズバリ「科学新聞」という名前で発行されています。
科学新聞社の方が先日のセミナーを取材して下さっており、記事として報道されておりますので、みなさまにもお知らせいたします。




文中で取り上げて下さっていますが、夏には「免疫ふしぎ未来」が開催されますので、そちらもぜひお越しください!
「免疫ふしぎ未来」では体験型のアトラクションも充実しています。それらを通して記事のタイトルのように、生命科学や免疫学をより身近に感じてもらえるようになって下さったならば幸いです。

2015年4月1日水曜日

ご来場ありがとうございました!

先週の金曜日、やさしい科学技術セミナー「生命科学と免疫学のリテラシー」が開催されました。
ご来場くださったみなさまには、心より御礼申し上げます。
あれから、今までよりも生命科学や免疫学に興味を持てるようになりましたか?

かなり簡単に解説したつもりではあるのですが、私自身が一般向けセミナーの経験が浅いこともあり、若干わかりにくいような部分があったかもしれません。
少人数で複数回、というような形でしたら補うことができるかもしれないのですが、やはり大人数向けだと難しい部分がありますね。
DNAのバンドを目で見る、というコーナーでも、見づらかった方がいらっしゃると思います。
またの機会があったら、そういう点を改良していきたいです。

そのほか、もし「ここはどういう意味だったの?」というような疑問がありましたら、ご遠慮なくブログにコメントを残してください。
色々とフィードバックをいただけると、私としても嬉しいです。

(写真は、大人気だった「DNAのバンド」です。昨年のニュースで図らずも知名度が上がってしまったようですね・・・。)


2015年3月26日木曜日

いよいよ明日

こんばんは。
やさしい科学技術セミナー「生命科学と免疫学のリテラシー」がいよいよ明日開催です。
私はまだ研究室で準備をしたりしております。

以前お伝えいたしましたが、このセミナーは基礎がメインの硬派な(?)内容なので、
ここしばらくは久々に生命科学や免疫学の教科書を読んだりしておりました。
かなり忘れている内容もあり、自分にとって良い再教育になっているように思います。
やはり、他人に教えることは自分が再度教わるのに等しいですね。

実はこういう一般向けセミナーは初めてなので、
「楽しみにして来てください」などと言える自信はありませんが、
精一杯つとめさせていただきますので、ご来場お待ちいたしております。

2015年2月6日金曜日

セミナー開催します!

気がついたら2015年になっており、時間が経つのは実に速いものです。
昨年「やさしい科学技術セミナー」の担当を仰せつかってから、どういうセミナーにしようかな?と考えていたのですが、すでに開催まで2ヶ月を切ってしまいました。
セミナーで話す内容は来場者の方々の属性によるかと思うのですが、私は大人を対象としているセミナーを開催することになっておりましたので、理想をいえばフロイトの「精神分析学入門」のような講義ができれば・・・と思っていたのですが、それは30年早いというものです。

今回のセミナーについてはこのページに概要を記載しておりますが、簡単にまとめれば「研究者の視点でバイオ系のニュースを眺める手ほどきをする」という趣旨です。
政治でも経済でもスポーツでも音楽でも、基礎を知っているのと知らないのとでは接し方が全く違いますよね。
一方で生命科学や免疫学は、大学などで選択しない限り基礎を知る機会は少ないものです。
そこで非常に僭越ながら、私たち研究者が持っている生命科学の基礎知識をおすそ分けすることができれば、という気持ちで「生命科学と免疫学のリテラシー」という内容で話させていただくことになりました。

セミナーはもちろん1回限りの90分、という制限がありますので、このセミナーを1回聞いただけで全てがわかるわけではないのですが(わかってしまっては、我々は失職です!)、セミナーの後ではセミナーの前よりもバイオな話題を身近に感じていただけるようになれば幸いです。
中学や高校、大学で生物の授業を選択していない、取っていても完全に忘れた、ほとんどの授業をサボっていた、しかし今では後悔している、という方、大歓迎です(ただし、免疫学を含めて分子生物学が中心の内容です)。
逆に基礎的な知識をお持ちの方には退屈極まりない内容になるかと思いますので、家でビールでも飲んでいた方が楽しい金曜日の夜を過ごすことができるかと思います。

なお、生命科学や医学、免疫学といった分野の一般向けセミナーといえば病気と絡めた話が多いと思うのですが、このセミナーでは「基礎」の部分を中心にお話いたしますので、内容は(たぶん)地味です。
「コレをアレすればガンが治る!」とか、「◯◯細胞から臓器の作製に成功!」とか、「インフルエンザから身を守るには?」とか、そういう話題はいたしません。
しかし、参加予定の方で「こんなことが知りたい!」というリクエストがありましたら、可能な限りお答えしてみたいと思いますので、コメントをお待ちいたしております。

まだ10名程度は受付可能かと思いますので、ご興味のある方はぜひご来場ください。
3月27日(金曜日)の18時30分から20時まで、東京大学医科学研究所の1号館講堂において行われます。
みなさまにお会いできることを楽しみにいたしております。

2014年11月28日金曜日

久々の投稿です。こんなことしておりました。その1。

面目ないことに、しばらくブログの更新を忘れておりました。
最後に更新したのが「免疫ふしぎ未来」の前くらいなので、今年の夏と秋は何をやっていたの?という感じですね。
もちろん研究生活をサボっていたわけではなく、いろいろと仕事をしておりました。
残念ながら、諸般の事情で実験はあまりできていなかったのですが・・・。


まず、9月の前半には共同研究の打ち合わせとセミナーのため、スロヴェニアへ行って参りました。
私の研究室のボスとスロヴェニアのNational Institute of ChemistryのRoman Jerala教授がコラボレーションをしていて、その打ち合わせですね。
私が「今度スロヴェニアへ行ってくる」と言うと大抵の人は「スロヴェニア?それはどこ?スロヴァキア?」という反応でしたが、たしかにあまり馴染みはないかもしれませんね。
もちろんスロヴァキアは別の国で、スロヴェニアは東欧にある旧ユーゴスラヴィアの小さな国です。



写真は首都のリュブリャナで、旧市街地からリュブリャナ城を撮ったものです。
曇り空でイマイチな写真ですが、キレイで治安も良く、食べ物が美味しい素敵な国でした。



ここがNational Institute of Chemistryです。
駐車場には、この研究所で開発した電気自動車が停まっておりました。
雰囲気が医科研となんとなく似ています。
研究所の雰囲気というのは、どこの国でも同じようなものなのでしょうかね?



2日間ほど研究所の食堂で昼食をとったのですが、イタリアの西に位置しているのでニョッキやパスタ、シーフードなどもよく食べられているようです。

なんだかあまり華のある写真を紹介できなくて残念ですが、個人的にはスロヴェニアがとても気に入りました。
滅多に行く機会はないかもしれませんが、ドイツから飛行機で1時間程度なので、ヨーロッパに旅行した時にはぜひ足を伸ばしてみることをオススメいたします!

2014年8月6日水曜日

免疫ふしぎ未来

8月に入って、とても暑くなってきましたね。
そろそろ夏休みを取られる方も多いのではないでしょうか。

夏といえば免疫の夏(?)。
今週末の日曜日、お台場の日本科学未来館にて、日本免疫学会が主催する「免疫ふしぎ未来2014」が開催されます。
http://www.jsi-men-eki.org/general/mirai.htm

いわゆる「アウトリーチ活動」でして、一般向け、子供向けに免疫の仕組みを紹介する企画です。
私は特に話したりするわけではないのですが、パネル説明などのお手伝いをすることになっています。
本物の細胞染色標本や寄生虫なども展示されており、なかなか見応えがありそうです。

「免疫ふしぎ未来」は毎年とても好評で、立見が出るほどのトークもあるそうですよ。
来週も仕事があって、今週末は遠出できないな・・・という方、ちょっとお台場まで来られませんか?

2014年7月25日金曜日

遺伝子改変マウスができました?

先日、遺伝子改変マウスを作るためにES細胞を培養して・・・ということを書きましたが、本日ようやく遺伝子改変マウスを受け取ることができました。
これできっと研究も進む・・・と思いたいのですが、まだまだ気が抜けません。
今回は、どのようにして実験に使える遺伝子改変マウスを得るのか?ということを書きます。
少しわかりにくい部分があるかもしれませんので、その場合は遠慮なくコメントで質問して下さい。

今のところ、マウスは「キメラマウス」と呼ばれる状態で、ES細胞由来の細胞(変異アリ)とシストブラスト由来の細胞(変異ナシ)が混ざっているようなマウスなのです。
すなわち身体の一部は遺伝子に変異があり、その他の部分は変異がない状態でして、これでは研究ツールとして使い物にならないのです。
特定の種類の細胞のみに変異が入っている、というような状態ならば良いのですが、キメラマウスの場合は特定の細胞を選んで変異を起こす、というようなことができません。
そうなると、全身の細胞に遺伝子変異が入っているマウスが必要になるのですが、そのためには運と技術が必要です。

これから行う作業としては、キメラマウスと野生型のマウス(遺伝子変異のないマウス)を交配させて、仔マウスを得ることが最優先となります。
もしキメラマウスの生殖細胞がES細胞由来であれば、仔マウスは全身の細胞に遺伝子変異を持つことになりますので、実験に使うことができるようになります。

ただし、哺乳類は母親由来の遺伝子と父親由来の遺伝子を持っているので、この状態では半分しか遺伝子変異が入っていない状態です(「ヘテロ遺伝子型」といいます)。
ヘテロ遺伝子型のマウス同士を交配させて、両方の遺伝子が変異を持っている状態にする必要があります(「ホモ遺伝子型」といいます)。
このようなマウスが産まれて初めて、研究に使うことができるのです。

さらに悲しいことに、こうして苦労してマウスを作っても、何の結果も出ないことがあります。
細胞単位で見られた現象が生体になると見られなくなってしまう、ということはよくある話でして、ある意味では生命科学の面白さなのですが、研究者にとっては頭の痛い問題です。

なお、この一連の作業にかかる日数ですが、最短でこんな感じです。
・変異の入ったES細胞を得るために1ヶ月
・シストブラスとへの注入からキメラマウスが産まれるまで1ヶ月
・キメラマウスが生殖可能になるまでに6週間
・ヘテロ遺伝子型のマウスが産まれるまでに1ヶ月
・ヘテロ遺伝子型のマウスが生殖可能になるまでに6週間
・ホモ遺伝子型のマウスが産まれるまでに1ヶ月
・実験に使えるようになるまでに数週間以上(場合によっては1年くらい)

とういわけでして、うまくいったとしても半年以上もかかってしまうのです。
しかもヘテロ遺伝子型のマウス同士を交配させてホモ遺伝子型のマウスが産まれるのは1/4の確率、母親マウスが産む子供の数は10匹前後なのでホモ遺伝子型のマウスは2匹程度しか得ることができません。
最近は技術が発達して、いきなりヘテロ遺伝子型のマウスを得ることができるようになりましたが、それでも3ヶ月以上かかるわけでして、生き物相手の研究は実に時間がかかります。

最近は研究に対してスピードが求められる時代であり、そのような風潮の中で少々言い訳がましいところもあるのですが、殊に生命科学系の研究については長期的な視点で温かく見守って下さると嬉しいです。